「不動」は揺るぎのない強い心と智慧を意味し、右手に智慧の剣、左手に救いと戒めの羂索(けんじゃく)を持ちます。
厳しい憤怒の相はすべての衆生を救わんとする強い決意の表れで、仁王立ちの立像での表現は、迷える衆生のために立ち上がった姿であると言われます。
モデルは神奈川県横須賀市にある運慶作の重文「木造 不動明王立像」。その造形は、運慶らしい力強さに「不動十九観」と呼ばれる平安時代後期にまとめられた基本的な特徴が踏襲されたもので、巻髪、天地眼(右目が天、左目が地を見据える)など古代インドの奴婢であった不動明王本来の姿をしています。
2019年9月、江戸時代の後補である火焔光背を新たに造形しリニューアルいたしました。