彩色毘沙門天は、元々はインドの仏教で崇拝された毘沙門天(毘沙門=ヴァイシュラヴァナ)という神々の一つから派生した存在です。彼女は特に真言宗密教や天台宗密教の修行者によって崇拝され、密教の信仰体系の中で重要な位置を占めています。
彩色毘沙門天は、その名前からも分かるように、多彩で鮮やかな色彩で表現されることが特徴です。通常、真っ赤な肌に描かれ、3つの目を持ち、非常に怖ろしい外観を持つことがあります。歯が鋭く、舌が外に突き出ていることもあり、これらの特徴は彼女が煩悩を克服し、幻想的な自我を打破する力を象徴しています。
彩色毘沙門天は右手に剣(または槍)を持ち、左手に杯を持つことが多いです。剣は煩悩と邪念を断ち切る力を示し、杯は智慧の甘露を象徴しています。また、彼女は炎の中に立つことが多く、これは智慧の炎を表します。
彩色毘沙門天は、バジュラヤーナ仏教の修行者にとって特別な存在であり、密教的な儀式や修行の対象です。彼女の崇拝には特別なマントラや儀式が含まれ、彼女の力を得るための秘密の実践が行われます。また、毘沙門天はバジュラヨギニとしても知られ、特に女性修行者によって崇拝されています。
総括すると、彩色毘沙門天は密教における重要な女性菩薩であり、彼女の崇拝は智慧と勇気、慈悲と守護の象徴として信者に愛されています。彼女は修行者にとって、煩悩からの解脱と智慧の増進を助け、密教の実践において不可欠な存在です。