‘S-Class’のSは「Superior=上質な・上等の」の意味。
5年もの歳月をかけて原型を完成させた阿修羅像は、少年のようでいてもの憂げな、ニュアンスに富む繊細な表情を実物そのままに再現しました。乾漆像特有の表面のひび割れも丹念に造型し、阿修羅像の持つ1300年という永い歴史を感じていただけます。
およそ50センチという大きさで迫力と臨場感を増した阿修羅像は、そのサイズ、クオリティともに「S-Class」の名に相応しいイスムの最上位ラインです。
娘を奪われたことに怒り帝釈天と止むことのない戦いを続けていた阿修羅ですが、釈迦の説法を聞いて仏法に帰依し、仏法を守る守護神となりました。釈迦如来を守る八部衆のほか、千手観音を守る二十八部衆にも取り入れられています。
争いの耐えない世界「修羅道」を司ることから通常怒りの表情で表わされることが多いのですが、光明皇后が造らせたというこのモデル像は、憂いを帯び、どこか少年のようなあどけなさを感じさせます。三つの面はすべて表情が違い、向かって左、右、正面の順に成長する過程であるとも言われています。