弥勒菩薩は釈迦如来の入滅から56億7千万年後の未来に姿を現わすとされる仏で、「未来仏」とも呼ばれます。如来となって衆生を救うまでは天上界の兜率天(とそつてん)で修行を続けています。右足を左膝に乗せて静かに思索にふける半跏思惟のポーズは、人々を救う方法を思い描く弥勒菩薩の姿です。
モデルは国宝 彫刻の部第一号として有名な、飛鳥時代の「弥勒菩薩半跏思惟像」。そっと頬に当てた指の先には、アルカイックスマイルと呼ばれる微笑みが浮かぶ、どこか異国の雰囲気を感じさせる優美な仏像です。1960年にはある学生がそのあまりの美しさに、つい触れて像の指を破損してしまったという事件もありました。 イスムでは入念を極めた造形でモデル像の美しい木彫の質感を持たせています。原型には細かい筋彫りを入れて木目を再現、さらにグラデーションを多用した彩色によって木材の経年変化を表現しました。美しい微笑みと指先のやわらかな曲線を、16cmの小さなサイズの中に完全再現した、TanaCOCORO[掌]シリーズの人気作です。