観音・勢至の両菩薩は阿弥陀如来とともに来迎し、往生する者を極楽浄土へと導く――浄土教の教えを具現化したものが阿弥陀三尊像で、観音菩薩は蓮台に魂を載せて極楽へ運び、勢至菩薩はその魂に合掌を捧げます。
モデルは大阪の重要文化財「木造阿弥陀如来及び両脇侍像」のうちの脇侍2体。
菩薩が片足を上げるポーズは極めて珍しく、この二像だけに見られる特徴です。わずかに首をかしげるような仕草と相まって、軽やかで楽しげな印象の像です。
表情、宝冠、衣の木目など、同じように見えて実は異なる二体の細かな差異にこだわって制作。
軽やかな動きのあるポーズを強調し、平安時代前期の像が持つ重厚な存在感を損なわぬよう仕上げています。