『国宝 阿修羅像』は天平6年(734年)、光明皇后が亡き母 橘三千代の1周忌供養の菩提を弔うために造像された供養物の一つとされます。表情の異なる三つの顔と六本の細くしなやかな腕の調和、哀愁を帯びたまなざしは見る者の心を魅了し1300年の時を超えて天平の息吹を今に伝えます。阿修羅はインド神話では正義を司る戦いの神とされますが、『国宝 阿修羅像』の憂いを帯びた表情からはそのような激しさはうかがい知れません。
天平彫刻の代表作として賞賛されるこの名品を、日展作家・喜多敏勝が名匠ならではの腕を振るい見事に再現。その原型を、400年の歴史を持つ高岡銅器伝統の技術・蝋型製法でブロンズ像に仕上げました。さらに漆仕上げの着色をほどこし、実像の持つ風合いを演出しました。サイズは実像のおよそ1/4となります。