像全体に流れる曲線の美しさを求め、細部に至るまでこだわりの工法を選択。 木肌を表現した造型に彩色で微妙なグラデーションを加え、長く複雑な工程で本物の木のようなぬくもりを感じさせる姿をつくり出す。 頬に添えられた指先の間のわずかな隙間こそイスムのこだわり。やわらかなカーブを画く膝の丸み、そこから広がる繊細な衣文まで、上品に洗練された傑作が、上質な空間をつくる。
国宝 彫刻の部第一号として有名な、飛鳥時代の「弥勒菩薩半跏思惟像」を再現。 右足を左膝に乗せて静かに思索にふける姿は半跏思惟といい、そっと頬に当てた指の先には、アルカイックスマイルと呼ばれる微笑みが浮かぶ。どこか異国の雰囲気を感じさせる優美な仏像。
釈迦如来がこの世を去った後、56億7千万年後の未来に姿を現わすとされる仏で、それまでは天上界の兜率天(とそつてん)で修行を続けている。有名な半跏思惟の姿は、人々を救う方法を思い描く瞑想の姿といわれる。