五劫とは一説に二十一億六千万年のこと。一劫とは三年に一度天女が大きな岩に舞い降り、その羽衣が触れる摩擦によって岩が消えてなくなるほどの時間、とも言われます。
それほど永い時間、阿弥陀如来はわたしたちの救済や理想の極楽浄土について考え続けてきました。伸びた螺髪の造形は、阿弥陀如来の慈悲深さや偉大さを私たちに伝えているのです。
イスム こだわりの造形モデルは奈良県の重文「五劫思惟阿弥陀如来坐像」。通常は秘仏とされる鎌倉時代の作で、桧の一木から彫り出されたものです。
螺髪の一つひとつはもとより、ふっくらとした輪郭や小さな口が感じさせる幼さを忠実に再現、特に顔に多く残る金箔の剥落具合にもこだわって仕上げました。