かっと目を見開き、憤怒の表情で、燃えさかる炎の中からぐいっと右足を踏み出し岩座に立つ威厳に満ちた姿。木彫像でありながら火炎光背や裳にみられる柔らかな表現は、木喰上人の確かな技術力のあらわれです。この像は木喰が80歳の時に制作した作品で、憤怒の相が特徴の不動明王でありながら、その表情にどこか優しさや慈悲深さを垣間見ることから、これもまた木喰ならではの「微笑仏(みしょうぶつ)」の一つと言えます。
本作品を木喰上人生誕三百年記念作品の第二弾として選んだ理由は、今も昔も変わらず厄除けの守護仏として人々に信奉される不動明王に、作仏聖として野と民のために生涯を捧げた木喰上人の姿を重ね合わせたからです。慈愛に満ちた仏門の守護仏を是非ご愛蔵ください。
原型制作は仏師 藤田燿憶氏に、彩色監修は篁千礼氏に依頼。庶民に寄り添う木喰の精神にならい、藤田仏師が入魂の技で彫り上げた原型をもとに、中国屈指の木彫工房で忠実な複製品に仕上げました。
彩色は、木彫彩色の正統後継者 篁千礼氏監修のもと、「イスム」の工房が担当。最終的に藤田仏師の監修を通し、直筆の署名と落款、エディション番号が像本体に入ります。
高い品質とお求めやすい価格を実現すべく生産工程を考慮し、皆さまの暮らしに寄り添う癒しと安らぎの仏像となりました。