『千早振る』は千手観音をテーマにした作品です。膝を折り、すっと差し伸べた手。そこに目をやる千手観音の静かで気高い横顔。目にした者の心の奥底に何かを訴え掛けずにはいられない荘厳な作品です。
こちらの作品は観音画家「木綿花」が初めて世に問うジクレー作品です。原画の持つ世界観を高画質の印刷技術で飾りやすいサイズに凝縮することで、また新たな価値観が生まれます。制作枚数は100枚。全ての作品に作者自身による署名、落款、エディションナンバーが記されます。
作品に寄せて・・・木綿花
世界が抱える自然災害や様々な苦しみ、悲しみ、混乱の中、もしかしたら私たちには見えないかもしれないけれど、観音様自ら動き出し、救いの手を差し伸べてくれているのかもしれない。そのようなことを思い描きながら完成させたのがこの『千早振る』です。千手観音様の差し出す手の先に何が見えるか。それは、見る人によって違うことでしょう。観音様を通じて、自分の心に向き合えるような作品であってほしいと願います。
千手観音は千本の手と、その掌に千の目を持つことから正式には千手千眼観自在菩薩と呼ばれます。千本の手は多くの人々に救済の手を差し伸べ、千の目は人々を教え導く知を表すとされ、遍く衆生を救済しようとする広大無限の慈悲の心を表現しているのです。所願成就、開運、厄除け、無病息災、家内円満などあらゆる現世利益に通じ、観音様の中でも功徳が特に大きいことから「蓮華王」と呼ばれることもあります。