みかえり阿弥陀とは:平安時代、庶民救済に尽くした僧 永観(えいかん・ようかん/1033~1111)は、18歳の頃から日課として一万遍の念仏を唱えていました。ある時永観がいつものように阿弥陀像の周りを巡りながら念仏を唱えていると、いつの間にか如来が須弥壇から降りて永観の前を歩き始めました。永観が感涙し立ち尽くすと、如来は永観をふり返って「永観、おそし」と告げたといいます。後ろをかえりみるという行為は、あらゆる衆生を救う阿弥陀如来の慈悲深さを表しています。
イスムこだわりの造形:モデルは京都にある重文「木造 阿弥陀如来立像」。後ろをふり返るという姿勢は大変珍しいもので作例は多くありません。若々しく堂々としたその顔には気品と慈愛が漂い、バランスのとれた頭身や繊細な光背と相まって優美な印象を与えます。
イスムでは像全体から醸し出される穏やかで気高い雰囲気を重視して制作。総高はわずか19センチながら透かし彫りの見事な光背を完全に再現しました。